スイの勉強日記

働く人のメンタルヘルス、ダイバーシティ、LGBT、人事労務関連の法律などの勉強記録

LGBTの職場の困りごと(LGB編)

LGBTに対して、職場でも配慮をしていかなければならないという動きが大きくなりつつあります。
理由は、LGBTに対するハラスメントもセクハラとして扱うということが法律に明記されたことや、差別禁止法が今後できるかもしれないということ、渋谷区などで同性パートナーのパートナーシップ制度がつぎつぎにできたことで社会的な認知が広がったことなどがあります。

 

ただ、未だに「それってプライベートのことでしょう」「性癖のことでしょう」と誤解されていて、「昼間職場で話す話題」と思われていない節があります。
(なぜかこの話題になると声を潜める人が多いのも、無意識的にそのように感じているからでしょう)

 

でも当事者であり、同性パートナーと暮らしている女性のわたしとしては、「いや、性的な話だけじゃないから。生活や人生の話だから。」と思うわけです。
そこで、トランスジェンダーさんやLGBTと単純にくくれない方々については後述するとして、自分の経験や人から聞いた話を踏まえて、「LGB(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル)」が職場で困ることをあげてみたいと思います。

※ちなみに、「レズ」「ホモ」という言葉は昔蔑称として使われていたという経緯があるので嫌な気持ちになる人も多いため、なるべく使わないでくださいね!「レズビアン」とか「ゲイ」と言うと無難です。

 

  • 日常会話

意外と、職場で結婚や出産の話題が出ることってありますよね。
「◯◯さんって結婚してるんだっけ?」とか「わたし、結婚して子供も欲しいと思っているから今後が心配なんだよね〜」とか。
ひどい場合は「◯◯さん早くいい人見つけなよ!もうわたしそれだけが心配で〜」みたいな余計なお世話だよみたいな話も(笑)こういう結婚や出産にまつわる話題ってどう反応すべきか結構困ります。相手を見て、独身のふりをしてみたり、彼女を彼氏と置き換えて話したり…。

カミングアウトしていない場合、実際には付き合っている人、一生一緒にいたいと思っているけど結婚制度がないがために結婚できていない人がいても、その人をいないものとして扱わないといけないというストレスもあります。わたしの場合、パートナーと同棲しているので、ご飯自分で作ってるの?って話題や休日どう過ごしたの?っていう話題ですら、相手を友達に置き換えたりしなければなりません。

これ、地味にストレスになるんですよねぇ。こういう話題が平気な人やしれっと嘘をつける人もいますが傷つく人、嫌な気持ちになる人もいます。
わたしは、「めんどくさいなあ、早くこの話題終わらないかなあ」と思うタイプ。嘘つくのも苦手ですしね。あまりに面倒臭いのでカミングアウトしてしまったこともあります。

 

  • キャリア面談

キャリア面談の場でも個人的には困ることが多かったです。中長期的なビジョンを聞かれた時に多くの女性は結婚出産を前提にして話をします。でも、わたしは一切そういう話ができない。

それについて「不自然じゃないかな?お年頃だし、結婚出産してももちろん働き続けたいので〜みたいな話しとかないとばれちゃうかな」みたいないらぬ心配をしたりもします。

また、わたしはパートナーがあまり年収の高くなる見込みのない職種なので、家計のためにもガツガツ働いてどんどんお金稼ぎたいと思っているのですが、そういう仕事を頑張りたい理由について話すことはできません。

熱心な上司で、成長したい理由やモチベーションの源について聞きたがる人も意外といるので、困ってしまうことがあります。

もちろん、話した方がマネジメントしやすいっていうこともあると思うので、わたしはそういうタイプの上司に対してはカミングアウトしてしまいます。でも、そうしない人に対して、「心を開いてない」とか「あいつは何を考えているのかわからない」って言うのはやめて欲しいなあ…なんてことを思うこともあります。

 

  • パートナーやその家族の病気や介護

同性婚はまだ日本で認められていないので、法律上「配偶者」と見なされません。いつまでも「彼女」「彼氏」扱いというわけです。法律上も世間の人の受け止め方も「妻や夫」と「彼女や彼氏」ではぜんぜん違います。

例えば、パートナーが病気になった時。「妻や夫」であればすんなりお休みをいただけて、周囲の人にも配慮してもらえるでしょう。パートナーやパートナーの家族が亡くなった時も、「慶弔休暇」を利用できるでしょう。

ですが、「彼女や彼氏が亡くなった」と職場の人に言ったらどうなるでしょう。「そりゃあ辛いでしょうね」と同情されておしまいです。「だってただの恋人でしょう」となるのです。

介護保険制度や遺族年金制度なんかも、パートナーやその家族がどうなろうが使えませんしね。「配偶者」じゃないので。男女の「事実婚」の場合は使えるのにね。なにもない時は良くても、「いざという時」に困ることは多いと思います。

(前の職場でもパートナーとの共同生活上家事をしないといけないから早く帰りたいという話をした時に「だって『彼女』でしょう。結婚してるわけじゃないんだしさ」と言われたことがあります。したいけどできないんですよ!まったくもう!)

 

  • セクハラ的発言や飲み会での『お付き合い』

男性社会ですから、未だに飲み会の後にお姉ちゃんのいるお店に連れて行かれる、みたいなことが結構あるんですよねえ。

あとは、性的な喩え話。わたしの過去の上司に営業活動をナンパや性行為に喩える人がいましたが…。(これはLGBTじゃなくとも普通にセクハラ)

カミングアウトしていなかったらそういう話題に合わせないといけませんし、楽しんでいるふりをしないといけません。場合によっては過去の経験を嘘を交えて話さなければならなくなることもあります。

カミングアウトしたらしたで、わたしみたいな女性も好きになれる女性であれば「じゃあお姉ちゃんのいるお店今度連れてってやるよ。営業の参考になるぞ」と言われたり「お前もわかるよな」とばかりに性的な喩え話がより酷くなったりすることもあります。これはもう本当に本当に、嫌でしたねえ。

 

まあ、こんな感じでぱっと思いつくだけでもたくさんの職場の困りごとがあります。

コミュニケーションの問題は特に、日常的に困っています。ちょっとした雑談だからと思ってちょっとした嘘をつくと、他の人と話す時に別のことを言って辻褄があわなくなったり、設定を事前に考えておかなければいけなくなったりするので、もう本当に、コミュニケーションを取るのが嫌になります。なるべく雑談を回避して、人の話を聞くように努めたりもします。

でもね、こんなところで気疲れして仕事の生産性が落ちるって、どうなんだろうと思うんですよねえ。

カミングアウトしていれば少しは楽ですが、そうできない人もいますし、カミングアウトしていてもしていなくても関係のない不便なこともたくさんあります。

制度の面の問題でどうしようもないこともありますが、LGBT研修なんかを実施することでカミングアウトしても大丈夫って思える環境だよ、少なくとも人事はサポートしたいと思ってるよ、と伝えることや、周りの人が「彼氏、彼女」「妻、夫」じゃなくて「パートナー」と言うように心がけてくれることってとてもとても大切で、それだけでも当事者の気持ちは随分と変わってくると思います。

 

今日はここまで!ではまた!