今のEAPの仕事に就いてからカウンセリングという言葉のカバーする範囲に驚かされることがよくあります。
カウンセリングというとメンタル的に落ち込んだ時に利用するものというイメージがあると思います。
でも、一言に「メンタル的に落ち込んだ時」といっても色々な場面があります。
たとえば、
- 仕事で大きな失敗をした時
- 人間関係の悩みがある時
なんかはベーシックなところですが、
- 仕事とプライベートの両立に悩んだ時
- 病気の治療と仕事の両立に悩んだ時
みたいなこともあるし、
- 休職した時、復職した時
- 職場で大きな事故が起こったり自殺者が出て職場の人が大きなショックを受けた時
なんかもそうです。
もちろん恋の悩みや家族と喧嘩したとか、夢や目標について、キャリアについてなど、悩みと言えるのかな?っていうことや前向きな事柄もカウンセリングの対象になります。
こういうあらゆる分野において、専門として実践されている方や研究されている方がいて、それぞれに深みがあるっていうのがすごいなと思います。それはつまり、ひとの心の深さとイコールだと思うのですが。カウンセラーさんとお話すると、それぞれの分野でも自分の専門分野ではない分野でも、ものすごく勉強されていたり場数を踏まれている方が多くて、驚きの連続です。(一方で世間にはカウンセラーと名乗りながらもたった数日のなんちゃって研修を受けただけっていう方もいらっしゃるようですが…。)
その広がりについて考えているうちに、LGBTってカウンセリングが必要とされるような場面にたくさん遭遇するし、その場面でのストレス度合いもかなり大きいのではと改めて思ったんです。
たとえば、失恋の話一つとってみても、友人にも話せないような話だったりします。
家族との関係性でも、カミングアウトするのかクローゼットでいるのかという選択の悩み、カミングアウトしたあとの家族の反応を踏まえての悩み、クローゼットでいる場合の親との関係性や結婚問題をどうかわすのかという悩みもあるでしょう。わたし自身、いつか家族にカミングアウトするとしても、縁を切られることやパートナーに害が及ぶ可能性含めてかなり慎重に多くのことを考えています。
いじめの問題や、日常生活を送る上での不便や不満もたくさんたくさんあります。
LGBTでメンタルヘルス不調のひとや自傷をしてしまう人、気持ちが不安定でひとを傷つけてしまう人、自殺を考えたことのある人などもかなり割合が多いなとコミュニティの中でよく感じます。
ストレス度合いが高くて、でも正直な気持ちを隠しがちで、しかもケアしあえるような資源が少なくて孤立しやすいLGBTにこそ、カウンセリングというものが必要だって本当に思います。最近ではLGBT支援を表明しているカウンセリングルームもありますし、アライマークを手帳に貼ってくださるようなカウンセラーさんもいらっしゃいますが、まだまだ数も限られていますし、地方の支援はとても手薄です。
LGBT支援を表明してくれるようなカウンセラーがどんどん増えていくといいなと切に思います。
今日はここまで。ではまた!