前回は働き方改革が「丸投げ」になっている現状について書きました。
何故そうなるかというと、
①従業員が納得できてない
②やり方がわからなくて止まる
③時間や機会がなくて止まる
という三つのパターンがあるのではとわたしは考えています。
今日はそのうち①について、「じゃあどうすればいいの?」を考えてみたいと思います。
従業員の気持ち
従業員が働き方改革の号令についてこない企業って、安全配慮義務の観点から、働き方改革しないと訴訟リスクがあるんじゃないか?と思ってとりあえず始めてみました、みたいな会社に多いように思います。
でも、社員の心って『やらなきゃいけないから』では動きません。
まず、人って押し付けられたもの、上から言われたものに反発を覚えるものです。
さらに、ただでさえ忙しいのに働く時間を減らせということに対して『上は自分たちがこんなに頑張っててこんなに忙しいのにわかってくれない』という気持ちが働きます。
そして、これまで「長く働いている人」=「頑張ってる人」と思っていろんなものを犠牲にしながら働いてきた人にとっては、働き方に関する価値観が固定化されていて、かつ、環境もいつのまにか最適化されているので(妻が家事育児のほとんどを担当してくれて特になにも言われない、評価も生産性の項目が特になく頑張ってるアピールが未だに有効、とか)、変わる必要性を特に感じていなかったりします。
そんな人に動いてもらうのは容易ではありません。だからこそ、あの手この手で動機づけをしていく必要があるのです。
動機づけの手段
動機づけと一言でいってもわかりにくいのでもう少し噛み砕いてみます。
つまり、働き方を変える必要を感じていない人が、
- 働き方を変えることが自分の人生にとってメリットがあると気づく
- 働き方を変えることが自分が仕事で関わる人にとって必要なことだと気づく(若手社員、女性社員、介護をしている社員、外国人の社員、などなど)
と思ってもらうことがゴールです。
だから、トップや人事が社会の移り変わりやワークライフバランスを各従業員が実現することのメリットを語ることも必要ですし、気づきを得る機会を提供することも大事。
たとえば、
- 人生を100年として横線状に書き出してみて、そのうち過ぎた時間、寝ている時間と仕事してる時間を消してみると、自分のために使える時間の少なさにドキッとする
- 理想的な時間の使い方と今の時間の使い方を比較してみるとギャップにドキッとする
- 子育て、介護、自分の病気など、今と同じ働き方ができない状況に直面した場合の、経済的・時間的制限や、気持ちについて考えてもらうと、いつまでも同じ働き方ができると限らないことに気づかされる
こんな感じで、一度立ち止まって、本当にこの生活って自分がしたくてしてるんだっけ?この生活って今後も同じように続けていけるんだっけ?と考えてもらう機会をつくると結構みなさん前のめりになってくる印象があります。
もっと具体的には、
- 自分自身の人生について考えることのできるワークライフバランス研修などを実施する
- 育児や介護に直面して働き方を変えた方に講演してもらう(佐々木常夫さんなど…)
- 社内で制限勤務をしている方などに話を聞く(パネルディスカッション、社内報、ミーティングなど)
- 書籍を読んで考える勉強会を催す(フローレンスの駒崎さんの著書『働き方革命』なんかはとてもオススメ)
などなど、色々な手段が考えられます。
この辺りは、先進的な企業さんの事例を調べてみてもいいですし、社内のリソースでやれそうなイメージがつかなかったらEAPや研修会社さんなどに相談してみてもいいかもしれませんね。
今日はここまで。
ではまた!